「バカにしないでよーっ!」
そのまま階段を下りてリビングに
入る。
テーブルの上には朝ごはんが用意
されていた。
「今日の朝ごはん何?」
と、聞くとお兄ちゃんはソファに
私を下ろしてくれた。
「スクランブルエッグ。ご飯と
パン、どっちがいい?」
「パンーっ!♪」
「りょーかい。」
普通、こうゆう場合は女である私が
やるべきなのだろう…
でもね、なにしろ不器用なもんで…泣
「ほら、ココア。あったまるぞ。」
お兄ちゃんは、あたしの前にココア
を置いてくれた。
「ありがと。ねぇ、お母さん達は?」
いつも台所にいるお母さんと、新聞を
読んでいるお父さんの姿が今日は
なかった。
「お前、昨日の夕飯の時に聞いて
なかったのか?」
「ごめんなさいぃ…夕飯の時、
テレビに集中してたんだもん。」
昨日は大好きな恋愛ドラマがやって
いたのだ。
