俺は盛大にため息を吐いて、モダンブラウンで統一された室内に入った。

ちなみにそれでも2人はスルー。
もう勝手にしろ。


俺は部屋をぐるっと見回す。

部屋全体が重厚な佇まいの雰囲気で他者を寄せ付けず凛としている、の割にはフロアは広く開けていて、なんだか居心地が悪い。

まるで部屋という住人に試されている気分だな。




放り出されたままの椅子に腰を下ろすと、そばにあるテーブルにはトランプが気まずそうにそこにある。


俺は2人にわざとらしく目をやるが一向に収まる気配がない。

それどころか話題がコロコロ変わって、いまは大通りにあるカフェのウエイトレスがどーのこーのという話になっている。





はぁ、いいかげんに終わらないかな。
間に入って収めるなんて面倒くさい。

あ、ドリップマスター発見。
コーヒー入れようかな。






「もうわかったからっ!キャシーはキスが上手い!絶対!」

「だろ?だからシズ「もーっ、やめろ!お客さんさっきから待ってる!」


「は?客?」



そうシズが言うと彼はこっちを睨んだ。


なぜ睨む、

てか気づいてたのかよ。