顧問の先生に連絡すると、ゆっくりでいいからちゃんと治せと言われた。
2ヶ月後、あたしはどうなっているのだろうか。
コートに立っていられてる?
今まで通りのことができるようになってる?
うちのエースだって言ってもらえてる?
「まだ先はあるし、もうずっとバスケが出来なくなる訳じゃないから、頑張って治そうね。」
帰りの車の中、なにも喋らないあたしに、お母さんはそう言った。
それでもあたしは、なにも言わなかった。
あたしの中には、不安と恐怖と虚しさ、悔しさがあって苦しかった。
車を降りてから自分の部屋までの慣れた道のりですら、松葉杖でノロノロと歩かなくてはいけない。
そんな自分に、無性に腹が立った。
