正義のヒーロー



「あたし、2ヶ月後くらいにまた大会があるんです。それが終わると、もうあとは最後の大会しかなくて。…次の大会にも、出たいんです。」





「気持ちはわかるよ。でもね、聖愛ちゃん。ここでちゃんと治さないとその最後の大会にも響くんだよ。」




先生の言うことはよくわかる。
でも、それでも、大会には出たい。
2ヶ月間練習もろくに出来ずに大会に出るなんて、そんなことは出来ない。





「まずは頑張って治そう。聖愛ちゃん。」






先生の力強い声にも、あたしは反応出来なかった。





あたしのせいで試合に負けて、あたしのせいで大会が終わってしまった。



次の大会で取り戻したいのに、あたしは練習すら出来ない。




辛かった。