「捻挫自体は治すのに約3週間。まあ、1ヶ月かな。」 「1ヶ月…。」 あたしは、大会までの約2ヶ月のうち、半分はみんなと同じような練習は出来ない。 「でもね、聖愛ちゃん。問題は、そっちじゃないんだ。」 「え…?」 ドキドキする…。 余命宣告される時も、こんな気分なんだろうか。 ふとそんなことを思ってしまう自分がいる。 余命宣告される患者さんのようなあたしと、それを他人事かのように端から見るあたし。 2つのあたしが入り交じって、もう、先生の言葉に、黙って耳を傾けるしかなかった。