正義のヒーロー



大会後、みんなより一足先に車で帰宅したあたしは、すぐに病院にいった。





「聖愛ちゃん、結構思い切りやっちゃったね。」




お母さんの知り合いの先生は、困ったようにそう言った。



「どう触っても、結構痛いんじゃない?」





あたしは、細かく何度も頷いた。






すると先生は、いろいろな処置をして、そのあとにあたしの足をガチガチに固めた。






「ちょっと立てる?」







少し残る痛みを抑えながら立ち上がると、先生は松葉杖を持ってきた。




それの登場を見たあたしは、もう何も言えなかった。