正義のヒーロー



「…っ!!」




ベンチにつくなり、あたしはシューズと靴下を脱がされて、急遽用意してもらった氷で足を冷やした。


とてつもない激痛が、あたしを襲う。



そんな中、試合は再開される。



コートにいたいのに。
せっかく勝ってるのに。
チームのエースはあたしだって、先生も言ってくれたのに。






もどかしい思いで、コートを見つめた。


相手との差が、徐々に縮まる。





戻らなきゃ!

咄嗟にシューズを履こうとしたあたしを、隣に座っていた先生が止めた。




何度も何度も涙が込み上げてくるけど、グッとこらえて、代わりに声を出し続けた。