正義のヒーロー


「聖愛っ!!」



優芽の声が聞こえて、ハッとした。
状況も理解できた。



先生やみんながあたしによってきて、みんなに抱き抱えられてベンチに向かう。





あたしは、流れを持ってきたくて、シュートを決めたくて、必死だった。
でもそんなあたしを、相手選手も必死でとめようとした。


空中であたしたちは衝突して、あたしは壁と床に落下。
倒れる直前、あたしの右足首に相手選手が乗ってしまい、そのまま倒れたんだ。




すべてを理解した瞬間、右足首を、激痛が襲った。






痛くて痛くて。







そして、残り時間を見た。


せっかく勝ってるのに。

こうやってあたしは、みんなに迷惑しかかけられない。

大事なときに、コートにいられない。





情けなくて、悔しくて。

あたしはずっと謝り続けた。




「ごめんなさい。…ごめんなさいっ!大事な…大事なときなのにっ…!」



涙がでそうになった。