正義のヒーロー



いつの間にか、気が付いたら男バスがギャラリーから応援してくれていた。


少し流れが悪くて、なかなか上手くいかないとき、応援してくれる人たちの声援は、すごくパワーをくれる。



辛くても、がんばれ!って笑ってくれると、あたしもまた、笑顔を作れるんだ。




笑顔でみんなでバスケを楽しむ!
それがあたしたちのチームのモットー。




試合も終盤に差し掛かり、5点リードしていた。


ラスト10分。

それで、勝敗が決まる。

ここでなんとか、流れを引き寄せたい。


みんなで必死に走って、声を出して、流れを掴む絶好のチャンスであたしにボールが回った。


あとはこれを、目の前の籠の中にいれるだけ。



あたしはゴールに向かって思いっきりジャンプした。



そして、ボールから手が離れた瞬間…。



盛り上がる歓声を聞きながら、あたしの視界は動転した。