初戦は、無事勝利!
危なげなく、勝ち抜くことができた。
試合が終わって、控え室に向かう途中、ゆったんとタケモンがいることに気付いた。
二人は、次の試合について何やら話しているようだった。
あの二人が仲直りして、本当に良かった。
二人のプレーは息も合っていて、とてもすごい。
打ち合わせして、失敗して。
悔しい顔でお互い少しだけ顔を合わせて。
すぐに修正して、成功すると笑顔でハイタッチするんだ。
その瞬間、チームはとても盛り上がる。
その光景を想像したあたしも、つい笑みがこぼれた。
「せったん、なに1人で笑ってんの?気持ちわるー!」
ゆったんが悪戯に笑いながら指を指してきた。
「えっ違うよ!笑ってないっ!」
ゆったんとタケモンは、顔を合わせて笑った。
「おつかれ。」
口を尖らせたあたしに、タケモンは優しく声をかけてくれた。
「ありがと。男バスもがんばってね!」
あたしがそう言うと、ゆったんは自信満々に笑った。
「任せろ!勝ってやる♪」
次の対戦相手についてだとか、真面目にバスケの話しだけをして、狭い会場の中だからすぐそこなのにあたしを控え室まで送り届けてくれた。
ゆったんには、そういうさりげない優しさがある。
「ゆったんはもちろんあたしを一番応援してくれるよね?」
あたしが悪戯に笑った。
「せったんもみんなも、がんばれ!でしょ?」
ゆったんも、意地悪に笑った。
「ありがとね。お互い、がんばりましょう!」
「おう!健闘を祈る!」
あたしたちは笑い合って、それぞれに別れた。
タケモンも、ニッと笑ってゆったんと一緒に歩いて行った。
