正義のヒーロー



『お疲れ!
電話してもいい?』




やっぱり、ゆったんは何か聞いてほしいことがあるんだ。




あたしがメールの返信をすると、すぐに電話がかかってきた。






「もしもし。」





「おす。…今日のアレ、見てたよな?」







「うん、タケモンとのだよね。」






ゆったんのタメ息が聞こえた。






「俺さ、タケモンにやめてほしいとか思ってないんだよね、ほんとは。」





「うん。」



「ただもっと頑張ってほしかった。」



「うん。」




「俺が出来たんだから、タケモンなら絶対出来んじゃん。」




「うん。」




「赤点…。取っちゃったなら隠さないで素直に言ってほしかったんだ。ちゃんと謝れば、先生も許してくれるかもしれねぇじゃん。俺本当は、タケモンとバスケするの楽しいしさ…。」




「うん。」



あたしはひたすら、ゆったんの話しを聞いた。