正義のヒーロー



次の日から、テストが少しずつ返される。




あたしが返されたのは、全部なかなかの点数だった。





テスト返却が終わって平均点を発表して、やることがなくなり雑談しているみんなの声を遠くに感じながら、あたしはゆったんのテストのことを考えていた。





「聖愛!」







「ん?あ、テストどだった?」








「まぁまぁかな。聖愛はいつも通りよかったんでしょ?」







「うーん、悪くはないけど…。良くもないかなあ。」






あたしが笑うと、満那は少し眉毛を下げて笑った。






「原井くんのテストが気になるんでしょ?」






「え?いやいや!別に…。」





慌てて否定したけど、満那は悪戯に笑った。




「はいはい、わかったから。この授業終わったら原井くんのクラス行ってみる?」






「うん。」




あたしは小さく返事をした。




それを確認した満那は、すぐに話を変えた。



気まずくなったりしないように話を変えてくれる満那には、いつもほんとに助けられる。