―コンコン
「失礼します。」
牧口先生以外誰もいない職員室の空気が、異様に重たく感じて、少し緊張する。
「先生、帰る用意出来ました。」
先生が明らかに険しい顔をしてるのを見て、更に緊張感が増した。
「聖愛、お前はうちのエースなんだ。なのにそんなお前が真っ先に庇ってどうすんだよ。何も言わなかったお前らも悪いけど、直せない優芽もだめだろ?そういうとこでお前の成長がねぇから、チームも成長しねぇんじゃねぇの?」
「…はい。」
「エースがそんなだからうちのチームは最近勝てねぇんだよ。そんなエース必要ない。」
「はい。」
「わかったら帰れ。」
「失礼しました。」
先生の前では泣かないと決めて堪えたけど、正直傷付いた。
