「嘘なんかついてないよ。准弥、正直に言って。その噂聞いたとき否定しないで、その噂を全部信じたでしょ?」
落ち着いた声で問いかけた。
「そりゃ、信じちゃうだろ。」
「そっか。」
あたしはもう、それ以上はなにも言わなかった。
それからは、沈黙が続いた。
沈黙は、少しの間なハズなのに、とても長く感じられた。
長くて重たい沈黙を破ったのは、准弥だった。
「…もう、終わりだな。」
「そうだね。」
「え…?」
終わりを認めないでほしいとでも言うような准弥の声は聞こえなかったかのようにして、「それじゃあ」とだけ言い残して、電話を切った。
