正義のヒーロー



教室に戻ると、あたしのクラスにゆったんが来ていた。




「ゆったん…。」




「声かけてみたら?」





満那が心配そうな顔をしていたけど、あたしは首を横に振った。





席に着いても、自然とゆったんの方に視線が行きそうになる。


つい会話が耳に入ってしまう。


それがイヤで、机に伏せた。




「原井付き合ってたんだね、知らなかったよー。」



沙穂とゆったんの会話だ。



「どう?彼女。可愛い?」



やだな…。
聞きたくない。


聞きたくないのに、聞いてしまってるあたし…。



あたしは、バカだ…。



「うん、まあ…。可愛いよ。」



やだやだっ


勢い良く立ち上がってしまった。


ゆったんが心配そうな目であたしを見てる。



あたしは、教室を出ようと、ドアの方に向かった。



「せったん…。」



「よかったね、可愛い彼女。」



嫌味っぽい言葉と愛想笑いをして、教室を出た。