正義のヒーロー


「どうしよう!借りてくる!」




呑気に笑ってる満那を横目に、教室を飛び出した。



とりあえず廊下を歩いて誰かに声をかけよう。




ハア…。
ため息をついて顔をあげると、ちょうどゆったんが目に入った。




「ゆったん!」



「おう!」





「生物のもう1つのほうの教科書持ってない?」



「持ってるけど。せったん忘れたの?」






ニヤニヤしてるゆったんを睨みながら頷いた。






「貸して!」




「仕方ないなあ。次はちゃんと持ってこいよー。」





その教科書を差し出しながら、ゆったんはにやっと笑った。