正義のヒーロー


「今さら気付いても遅いのにね。気付くチャンスはいっぱいあったのに、やっぱり慣れって怖いね。」




落ち着いてきたとき、あたしがボソッと呟いた。




「結婚したわけじゃあるまいし、遅くないでしょ。」





「でも、付き合ってるんだよ?しかもコトとだよ?」





「相手が誰とか関係ないって。それにあたし的には、コトちゃんと原井くんより、聖愛と原井くんの方が信頼しあってると思うし。」





「まだ付き合いたてだからだよ。」





「もう。いつものムダにポジティブな聖愛はどこいったの!」



満那が笑いながら、あたしのほっぺをつねった。




「あたしだって、いつも能天気じゃないし、満那みたいに大人っぽかったらもうちょっと自信持てるもん!それかめっちゃ可愛いかったらなあ。」




そんなことを言って口を尖らせていると、満那が隣でお腹を抱えて笑った。




「なによ聖愛、あたしのこと大人っぽいって思ってたの?それに聖愛が大人はないでしょお!おっかしー。てか、いつもはわざわざ言わなかったけど、聖愛可愛いじゃんよ~!」



満那の爆笑っぷりにあたしもつられて笑った。