正義のヒーロー



放課後、今日あたしは病院に行くから、帰宅することになっている。



昇降口に向かう途中、コトの後ろ姿を見つけた。




「コト♪」




「あ、こんにちは。」





「これから部活行くの?」






「そうですけど…。」






コトが冷たいのは、もう慣れつつあった。





「あたし今日病院行くから部活休むね。」




「わかりました。」




コトは、作られた顔で少しだけ笑った。





「あ、コトさ。ゆったんと付き合ってるんだって?」




あたしが笑って見せても、コトがちゃんと笑うことはなかった。




「はい!…聖愛先輩はゆうくんのこと、好きじゃないんですよね?」





「え…っと。うん。」






つい言葉を詰まらせてしまった。