海斗と付き合って3年

未だに同棲すらしていない自分たちのスローテンポを嘆く

いや、でも引っ越しが面倒臭いってだけではたから見れば半同棲だ

帰る家が二つあるだけ

「そうなんですよ!!立花先生に聞いてもらおうと思って!朝からずっと待ってたんです!!」

「うん。いいよ。園ちゃんのグチ、聞こうじゃない」

こうして彼氏の言動に対して憤慨できるなんて若いな、とそろそろ諦めが多くなってきたしるふは、少しうらやましく思う

と、海斗が湯気の立つコーヒーをしるふにももってきてくれた

「あ、ありがとう」

見上げながらお礼を言い、それでもこうして変わらず小さな優しさを感じられるならまだまだ大丈夫か、と思い直す

「ちょっと、こっちは彼氏と修羅場ってるのに、そこでいちゃつかないで下さい!」

嫌味だー、いやみ!!

キー!!と叫ぶ園田をまあ、まあ、と落ち着けつつ、話の続きを促す

「で、松田君がどうしたって?」

「そう!そうなんですよ!!昨日、へろへろになって帰ったら、あいつなんていったと思います?」

「…女子力の欠片もない、とか?」

「だったらまだましですよ!こっちは疲れてるのに!!一日頑張ったのに!!あいつったら急に、本当に救命医になるの?とかって言い出すんですよ!!」