それは研修医の時から変わらない

ぎゅっと結ばれた唇と泣きそうな、けれど力のある瞳

それは今、ただ静かな強さを備えてしまった

確かにもう背後に隠すだけではいけないのかもしれない

「わかった。わかったけど、」

観念したように息をつく

寄りかかっていたシンクから離れて向かうは、続きを待っているしるふの元

「お前、少し生意気」

ぐしゃぐしゃと乱暴に撫でた頭

「うっわ、ちょっと海斗何するかな」

せっかくセットしたのに

抗議の悲鳴を上げるしるふに気づかれないように小さく笑う

ああ、やっぱりこれだから

たとえこうやって傷つけることになったとしても

離したくないと

心の底から思うのだ