「お前、絶対喧嘩売ってるだろ」

いい度胸じゃないか

「ええ?事実を言ってるだけだよ。逆になにかいけないことをしているんじゃないかって勘ぐるくらいに海斗は連絡不精」

お前そんなに喧嘩売って楽しいか?

不機嫌そうな海斗の声に微笑みながら

「で、どうしたの、本当」

「…どこかの誰かさんは、この季節が苦手だろう」

海斗の言葉に、驚いたのは一瞬

「海斗、心配性」

照れ隠しにそんな言葉しか返せない

でも、そんなすらも電話の向こうの相手は手に取るようにわかってくれる

だから

「ちょうどさ、私も電話しようと思ってたとこだったんだ。園ちゃんに二週間も連絡取らないなんてありえないって言われてさ」

でも、一瞬海斗の方が早かった

「園田?あいつちゃんと研修医してるのか」

そんなことばっかりに口は挟んで

「してるよ。今日だって疲れて机に突っ伏して爆睡してたし」

「本当、あいつは研修医立花しるふ二世だよな」

「え、海斗そんなこと思ってたの?」

「飯田と医局長とよく笑って話してるけど」