ただいまぁって、元気よく実家に帰ってみた。

すでに、病院まで運んでくれた野球の関係者から脳腫瘍は知らされている。

玄関に駆け寄り、心配そうな両親の顔を見て、これ以上心配させたくないと思った。

「何ともないってさ。

良性だし、定期的に検査して下さいって」

「良かったぁ。ほんと心配したんだから…

今日はお母さん特製のローストビーフ焼いたから、思いっきり食べなさい。」

ごめん、嘘ついてしまった。

せっかくのご馳走、あんまり味がわかんないや。

親父の親父ギャグのおかげで、作り笑いもバレずに済んだかな?