「なんで勝手に決めるのよ!

今までずっと2人でやってきたじゃない。

私の気持ちはどうなるの?」

答えると、一緒にいたいという本音が漏れ出そうだった。

何を言われても、「ごめん…」しか言わなかった。

その後も「ごめん…」しか言えなかった。

家の前につき、「千恵のお節介はもううんざりだ。

さぁ、降りてくれ。」

降りなかった。

今、別れなければ、もう情に流されて、千恵の一生を振り回しかねないと腹をくくり、車から引き吊り降ろし、立ち去った。

千恵の気持ち一つ考えず、最低だなぁ。

本当に良かったんだよな?

もっと一緒に居たかったのに…

千恵にもっと辛い想いをさせたんじゃないかな?

いろんな想いが錯綜し、千恵から見えない距離まで車を進めたところで、車を止め、ひたすら泣いた。