「まさか…⁉リサはどうなっているのだ!」 血相をかえて松原に掴みかかろうとする。 「眠っているよ…安らかにね」 「貴様ぁっ‼」 校長の怒号が迸る。 辺りを飛ぶ唾に、松原は眉を寄せる。 「煩い。何勘違いしてるんだ?今は“獣使い”だった記憶と、“獣”を宿すという異常を身体と心全てが忘れて穏やかに眠っている期間」 いつのまにか収まっていた砂嵐。 一気に静かになった屋上に校長の息を呑む音が聞こえる。