「津川、松原…“獣使い”は本当にいるぞ。何故なら、今俺が扉を閉じた能力も其れに通じるものだからな」 「ふふっ、此れで信じて貰えますかね?」 「信じないわ」 硬い口調で言い切る。 証拠まで見せたのに、何故?という表情で心底不思議そうに首を傾げる。 「どうせ、扉が開かないのも何かのトリックがあるのでしょう?」 「そんなものはないぞ。俺がそんなことをするような奴に見えるか?」 田中が真剣な瞳で真っ直ぐみなみを見つめる。