「田中くん」 「はい。承知」 校長と田中は、普通の校長と教員とは異なるやりとりを交わす。 其処で田中はドアに手をかざし唱えた。 「閉じよ、」 田中の声が届いた瞬間、松原はノブを回す。 「…開かない」 力を強めてもビクともしない扉。 松原は渋面する。 「さあ、話を続けようではないか」 にやりと厭らしく笑う校長を松原は鋭く睨みつける。