悪気の全くない普通の質問に、明らかにみなみは顔色を変える。 無表情になり、感情豊かな少女の面影は全くと言っていいほど消え失せていた。 「絵は、好き。だけど、自分の上辺だけの絵は嫌い」 抑揚の無い言葉を聞いても、田中は動揺することもなく逆にその言葉を否定した。 「そんなことないと思うぞ?お前の絵、確かコンクールとかで何回か入賞してただろう」 「そうなんですか。凄いね、津川さん。それなら上辺だけの絵っていうこともないんじゃ…」 言いかけ、松原は自分は何も分かっていないことに気付く。