「鬼の田中だ」 「生活指導の田中が、どうして…」 怯える生徒達の正面に立ち、辺りを見回す。 そして、松原の方で視線を留めた。 「お前か?転校生の松原ってのは」 ドスを効かせた低い声にも全く臆せず、ただ曖昧な表情で微笑む。 「はい…そうですが」 その返事に頷き、次は隣に視線を留める。 「津川だな?」 「…はい…?」