夢を探して。 ==獣使い==





「いいや?」

「それなら何故……」


「0号なら、自分で調べろよ」



松原は嘲笑を浮かべ、腕を動かし中指を立てる。

ーー挑発。



「!」


紅は挑発に乗り、力を行使する。




「フン…そっちがその気ならやってやるよ。生命よ宿り…捉えよ!」



紅の言葉に呼応し、壁から茨が生える。
その茨は松原を捉えようと手を伸ばす。


四方八方から伸びる茨。
それらを全て器用に躱し、松原は紅に接近する。


松原の手が紅に触れるーーという瞬間に茨で防御し、その茨で攻撃に移る。
松原は、紅の防御からの鋭い攻撃にも動じず、制服の袖に隠し持っていたナイフで茨を断ち切る。

激しい攻防。



だが、そこで紅は茨ではなく自分自身の足を使い、攻撃する。

避けきれずに紅の蹴りは松原にヒットした。




「ぐはっ」




一瞬呻きながらも、直ぐに体勢を立て直し回し蹴りをお見舞いする。




「ゔぁっ!」




そして互いに睨み合い、再び距離を取った。