母たちのその後の話は聞こえなかった。

*


 私の異母姉妹。




 少し思い出した、
 薔薇の咲く庭で彼女が言った。

 あなたも、目が青いのね。

 私は光の加減か、たまにダークブールの瞳だと言われるのだ。

 彼女はモロに蒼い瞳だったので西洋の人の血が流れているのだろうと思ってはいた。

「お父様の祖母か祖父にも、いたんだろうな・・・」
 と、呟くように言う彼女。
「?」
 何の話かわからずに首を傾げる私を見て彼女は笑う。
「むなしくなったわけ解ったな・・・・他の女たちみたいに、いけ好かない子だったら良かったのに」
 と言って私を睨んだ。

 睨んだ、と思う、が、それより私は彼女の青い目にどきどきした。
「わ、私、青い薔薇が好きなの、見つけたら摘んでおいて」

 トンチンカンなことを言う。


 彼女は大笑いし始め。
「仰せのままに」
 笑いすぎて浮かべた涙を拭いて薔薇の庭に消えていった。


***

 青い薔薇は持ってきてくれなかった。


 当たり前だった。

***


 どうしているのかと思う。

 意識して探すことはしない、
 彼女が会いにくる気になるのを待ってただ、同窓会に顔を出し続ける。


 会ってどうしょうと思うことはない。
 ただ、困った顔をしあい、笑いたいのだ。