はい?うそ!?


「俺がキスしたかっただけ」

「なに、言ってんの、よ!」


触れていた龍の指を振り払うように
ぐるっと後ろへ方向転換した。

赤くなりすぎて涙目になっているのを
隠すためでもあったけど…。



「しずく、初めてだった?」

「だったら何よ!」


少しだけ振り向いて龍を睨むと
それはそれは嬉しそうに笑っている顔が目に入った。


「一つゲットだな」