「好きだよ、しずく」


耳元で囁かれた言葉は私には甘すぎて


「…りゅーの、バーカ」


素直になりきれない。


それでも龍はお見通しで
「はいはい」と言いながら抱きしめる腕を強めた。




「補習、龍のせいだからね」

「はいはい、ゴメンナサイ」



始業のチャイムを聞きながら
今度は私から唇を重ねたのだった。

         
          End