「なぜ、その様なこと…に……?」



返す気力が...



「昨日、新しい婚約者ができたから、
お前とは取り消しだと…。」



「で、でも………」



「僕よりずっと身分の高い
お偉いさんだそうです。
だから、気が紛れないようにと、
僕と会えるのは今日が最後、だと…」



「そう………ですか」



父様が決めたならもう揺るがない。
だからといって、
2人で逃げ出す勇気なんて、ない。



だから、私の初恋は、ここでおしまい。



初恋は叶わないって、本当なんだ。


静かに涙を流した。