ラベンダーの香が漂う室内。
ギシッとベットが揺れる。
色づいている心でも連想させそうな
男の荒い息遣い。



しかし、パタリとその音が消えた。



ベッドの上には、
黒のスーツを着ている小さな少年と
白かったベッドに鮮やかに色づかれた血飛沫



――――そして、
体格の良いまだ30〜位の男だった。








「……なんだ、期待してたのに」



少年は無表情に語る。



「とんだ的外れだったよ、キミ」



瞳の色は、見えない――――。




「あーぁ、やる気なくした〜。帰ろ」



机に置かれていたシルクハットに手を伸ばす。
スポリと被ると窓を開けた。