好きな人にこんなに強く愛されたり……

こんなに強く必要とされたり……

こんなに激しく感激されたり……

あたしはもう、リョウしか見えなくなっていた。

リョウがあたしの全てだった。


「ミユキ、本当に悪いんだけどさ……」


しばらくあたしを抱きしめていたリョウが、申し訳なさそうに言う。


「どうしたの?」


あたしが聞いても、まだリョウは言いにくそうにしている。


「うん……。言いにくいんだよね……どうしようかな……」

「何でも話して。リョウの力になりたいから!」


あたしは力強く言った。


「わかった。じゃあ話すけど……今は20万じゃ足りないんだよ……」

「えっ? どうして?」


あたしの心に動揺が走る。

20万じゃ足りない?!

いくら必要なの?!

カッコ良く“トップテン入り”を宣言した手前、後には引けない。