「あたしはリョウにもっと会いたいし! だから、これは自分のためでもあるの」


リョウはあたしを強く抱きしめたまま。


「20万くらいなら、貯金もあるから! 出せるから!」


今日あたしは通帳記帳して、ちゃんと確認もした。

残高は21万と少し。


「ミユキ……マジでいいの?」


リョウがあたしの目を見つめながら聞く。

見つめ合った直後、しっかりと頷くあたし。


「ありがとう! ホント感激した。ミユキは最高の彼女だよ……」

「リョウ……」


名前を呼びながら、あたしは涙ぐんでいた。

リョウに『最高の彼女』って言われて、感極まって。

だって今まで一度もそんな経験なかったもん。