「………いいかげん、おろしてよ?」
「………」
は!?
またもや、無視!?
さっきからずっと、こんな調子だ。
話しかけても無言だし。
今、ここがどこかも分からない。
……なんなのよ、こいつは。
人に優しくしたかと思えば、無視して。
私は瑠璃なのに、瑠璃子って勘違いして。
お母さん………。
やっぱりダメだよ。
こんなやつと一緒にくらすのは。
「瑠璃子!!」
真はいきなり私をおろした。
なんなのよ!?
いきなり大声出さないでよ!!
私はクルッと後ろを向いた。
「ここだよ。ここで出会ったんだ」
そこは、古びた公園だった。
でも、まだちゃんと使える遊具。
そして………。
「……綺麗ね」
ここは丘の上にあるらしく、私の住んでいる町がすべてみわたせそうだ。
真は優しい微笑みで私の手を握って言った。
「ここに連れてきたからって、思い出さないかもしれない。でも、瑠璃子が覚えてない分を僕が覚えてるから。僕がずっと君のそばにいるから。だから僕と一緒に少しずつ思い出そう。君は1人なんかじゃない」
……あぁ。
わかったわ。
お母さんが、どうして真と一緒にいたのか。
わかった気がするわ。
どうして、誰も気付かなかったのにわかったの?
私が1人になったことを、すごく悲しんでいたことを。
私がどれだけ、その言葉をほしかったかを。
誰かに1人じゃないって、言ってほしかった。
お母さんも死んで、お父さんは行方不明。
おばあちゃんまで死んで、親戚なんていない。
私はこの世界で1人になった。
これからは、私はこの広い世界で、ただ1人でくらさなくちゃいけない。
そう思っていた。
でも、真が私の家にきて、今までのこのひととき。
私はこの世界でただ1人だということを、忘れてた。
このどこか優しいたくましさと、なぜか刹那気な微笑みに私は……。
私は……。
救われてた。
忘れさせてくれた。
私は涙をこらえて、そのかわり私は真の手を握り返した。
「真。………一緒に家に帰ろう?」
初めて見せた笑顔。
瑠璃子じゃない。
私自身。
瑠璃の笑顔を。
もう、瑠璃子じゃない。
私、『瑠璃』の意思で、真と一緒にいることを決めたんだ。
ここからは、お母さんの意思じゃない。
お母さんの願いじゃない。
私の意思であって、願いなんだ。
真はコクッとうなずいた。
私達はきた道をもどった。
私達の家に向かって。
「………」
は!?
またもや、無視!?
さっきからずっと、こんな調子だ。
話しかけても無言だし。
今、ここがどこかも分からない。
……なんなのよ、こいつは。
人に優しくしたかと思えば、無視して。
私は瑠璃なのに、瑠璃子って勘違いして。
お母さん………。
やっぱりダメだよ。
こんなやつと一緒にくらすのは。
「瑠璃子!!」
真はいきなり私をおろした。
なんなのよ!?
いきなり大声出さないでよ!!
私はクルッと後ろを向いた。
「ここだよ。ここで出会ったんだ」
そこは、古びた公園だった。
でも、まだちゃんと使える遊具。
そして………。
「……綺麗ね」
ここは丘の上にあるらしく、私の住んでいる町がすべてみわたせそうだ。
真は優しい微笑みで私の手を握って言った。
「ここに連れてきたからって、思い出さないかもしれない。でも、瑠璃子が覚えてない分を僕が覚えてるから。僕がずっと君のそばにいるから。だから僕と一緒に少しずつ思い出そう。君は1人なんかじゃない」
……あぁ。
わかったわ。
お母さんが、どうして真と一緒にいたのか。
わかった気がするわ。
どうして、誰も気付かなかったのにわかったの?
私が1人になったことを、すごく悲しんでいたことを。
私がどれだけ、その言葉をほしかったかを。
誰かに1人じゃないって、言ってほしかった。
お母さんも死んで、お父さんは行方不明。
おばあちゃんまで死んで、親戚なんていない。
私はこの世界で1人になった。
これからは、私はこの広い世界で、ただ1人でくらさなくちゃいけない。
そう思っていた。
でも、真が私の家にきて、今までのこのひととき。
私はこの世界でただ1人だということを、忘れてた。
このどこか優しいたくましさと、なぜか刹那気な微笑みに私は……。
私は……。
救われてた。
忘れさせてくれた。
私は涙をこらえて、そのかわり私は真の手を握り返した。
「真。………一緒に家に帰ろう?」
初めて見せた笑顔。
瑠璃子じゃない。
私自身。
瑠璃の笑顔を。
もう、瑠璃子じゃない。
私、『瑠璃』の意思で、真と一緒にいることを決めたんだ。
ここからは、お母さんの意思じゃない。
お母さんの願いじゃない。
私の意思であって、願いなんだ。
真はコクッとうなずいた。
私達はきた道をもどった。
私達の家に向かって。



