「星。綺麗だぞ」 あたしは黙って空を見上げた。 「本当だなあああ」 隣にいるのはいつもと違って隼人じゃない。 いつもなら近くになんて腰掛けないから 人肌が久しぶりに感じる。 「俺、佐々木拓斗」 「あたし波木ありさ」 また無言になる。 静かだなあ。 虫の声が聞こえてくるだけ。 悲しくなってくるなあ。