「拓斗入ってく?」 あたしが部屋に男のことを 呼ぶことなんて中々ない。 「は?」 「あ、変なことはしないでね」 するわけねーだろって目で見つめてくる。 「暑いでしょ。来て」 チャリを止めてもらって家に入れた。 「今帰ったよー」 リビングに行ってお母さんに伝えた。 「あらお帰りなさい。ご飯は?」 「あー部屋によろしく。友達もいる」 あたしは返事も聞かずにドアを閉じた。