「家どこらへんなの」
拓斗は隼人とは違う。
あたしのことを気にかけてくれる
冷たいようで優しい人だったね。

いつもあたしのことを
包み込んでくれてたね。

「もーちょいだからここでいい」
あたしは飛び降りようとした。
「家まで送る」
「ここでいいのに」
「黙って乗っとけよ」

少し進むとあたしの家が見えてきた。
拓斗にここだよと伝えると
ゆっくり止まってくれた。
こんな暑い中あたしのことを
送ってくれたから汗がはんぱない。