少し足をひねってしまった。 誰にも気付かれないように、そーとっ抜け出して、テーピングを巻いていると、 「なーに、こそこそやってんだよ?バレバレ。やってやるよ。貸せ」 「は、はい。」 「さっきの基礎練でひねったろ?」 「う、うん。よく気付いたね。」 「うん、まーな。」 そんな小さな優しさが 私にはすごく嬉しかった。 幼なじみという関係を越えたいと初めて意識した瞬間だった。