チャイムが鳴り、
席に座り、呼吸を整える。


気に入った...?

あの言葉がフラッシュバックする。

ん?

つまり、それは、友達として気に入ったってことだよね。

うん。そうそう。

そうに決まってる。


「...ち」

「...ぐ..ち」

「か...ぐ..ち」

「川口っ!!!!!」

「は、はい?すみません」

「どうした?ぼーっとして」

「いや、なんでもありません。」

「そうか。あ、教科書はあるか?」

「ありません。」

「だったら、しばらくこれを使いなさい」

そう言って、先生が数学の教科書を差し出す。


うわっぁ〜いまって数学だったんだぁ...

最悪...

数学ちょー苦手


いつもは恋斗が教えてくれたのになぁ〜...

はぁ〜

「そんなドでかいため息ついて、緊張してんのか?」

「ま、まぁ」

「大丈夫、大丈夫」

肩をバシバシ叩かれる。


イタタタタ...