心の中では、凄く寂しい。
もっと抱きしめて欲しいし、キスだってし欲しい。
優しい声で、電話とかじゃなくて逢って「絆」って呼んで欲しい。
涙を流すうちを見て行弘さんが
「泣くな。
…わかった、これやるから、ずっと付けてろよ」
と言って、小さいボトルに行弘さんがいつもつけてる香水をくれた。
前、行弘さんの香水好きって言った事覚えてくれてたんだ。
「うん」
と涙目と鼻声で返事をした。
「あぁ、これ以上居たら別れが辛くなるから、送って行く」
と言われた。
黙って準備をした。
車に乗った。
いつもなら、ラジオの音も聞こえないぐらいだけど、今日は、心臓の音も聞こえるぐらい、静かだった。
家に着いた。
うちは、
「頑張るから、ひっく、高校生になったら同居して」
と言った。
行弘さんは、優しく
「わかった、頑張れよ」
と優しく言ってくれた。
直接逢って会話したのが、中学最後だった。
