「花音、手ぇどかして。キスできねぇじゃん」




花音は顔を隠したまま首を振る




こうなったら…




「ふーん…花音は俺とキスするの嫌なんだ?」


「!?…違っ……んっ…!?」




花音がこっちを見た瞬間、俺は唇を重ねた




「朔弥のバカーーっ!!」


「あ?誰に向かって言ってんの?」




俺はもう一度花音の小さい唇に、自分のそれを重ねた




「…ん……あっ……」




キスの合間に漏れる花音の声に、俺の理性が崩れていく



「んぅ……っ…ん……」





やっぱ、俺には花音が一番必要なんだ



花音が傍にいてくれるだけで、俺の心は満たされる




もう、あの時みたいに傷つけたりしない




その夜は、花音をずっと離さなかった