―――次の日。



(pi-pi-pi-pi-pi...電話)



あたしの携帯が深夜、テレビの音だけがこもる部屋に鳴り響く。



アニメに夢中になっていたあたしはなかなか携帯に気づかない。



三回目くらいの着信でやっと気づくあたし。



誰だろ?



翔だ。



「んん...あーい」



あたしはアニメに夢中になりながら電話に出た。



「......」



「んん?翔?なしたの?」



また無言の翔は様子が変だ。



いつもより静かすぎる携帯の向こう側。



「翔...?」



応答のない翔へあたしは再び問いかける。



「ゆんちゃん...んっ...俺な...んんっ...」



翔は泣いていた。



泣いて吃りながらも必死に喉の奥に詰まる声を出そうとしているのが伝わってくる。



「...なしたの?」



「俺な...んっ...施設行くことなった...ごめん...ゆんちゃん...んんっ」



あたしはその翔の言葉で頭の中が真っ白になった。



そんなの...嘘だ...。