―――――
朝日を浴びて輝く街並み。
昨日の争いはすでに事を終えていた。
にもかかわらず、城の中はバタバタと慌ただしい。
ミヤコは豪華な部屋の中で、その音を聞いていた。
椅子に座り、両手を握りしめるという格好で。
「……いつから気付いてた。」
真剣な眼差しでミヤコは問う。
問いを投げられた本人、ノアはミヤコの前に座り、アイが用意した紅茶を一口すすった。
優雅に紅茶飲んでんじゃねえ、とミヤコは内心で悪態をつく。
「なにが?」ノアはカップをソーサーに置き、聞き返す。
「……わかってるクセに。」ミヤコはぼそっと吐き捨て、続けてしっかりと質問をし直した。
「だから、あたしがいつ女だって気づいたのか。」
「…………。覚えてない。」
「はあ?」
「なんとなく。一緒に居たら次第に、ミヤって女の子かもって。」
そんな感じ、とノアは付け足してまた紅茶をすすった。
何がそんな感じなのかミヤコにはさっぱりわからない。
ミヤコはテーブルの上でしばし頭を抱えた後、「じゃあ」と質問を変えた。
「じゃあ、あたしが館に行ったときにはもう?」
「んー。そうかも。」
「はあー…………。」
再びミヤコは頭を抱えた。


