Different world story





 淡い橙色の輝きがいくつも夜空に生まれ、それが次第に下へと降りてくる。

 羽が舞い落ちてくるように、ゆっくりと降りてきたその光は、街の至る所に設けられた鳥籠型の外灯にすうっと吸い込まれ。

 ぽわっと、その中で再び輝き始めた。

 街の風景が途端に明るく照らされ始める。人々は笑顔で手を叩いた。


「……なに、今の。」


 驚きを隠せないミヤコに、ノアはクスっと笑う。


「魔法、って言ったら少し違うかもしれないけど、そういう力を使える人が居るんだ。」

「なにそれすごい。」

「この国の王子様、らしいんだけどね。」

「え、そうなんだっ。」

「うん。毎日夜になると、こうして街を照らして、みんなが危なくないように見守ってるんだってさ。」


 へ~……と、ミヤコは感心の声を漏らした。

 オウーイ国の王子様はしっかりしているな、と、見たこともない人物をミヤコは尊敬した。

 それに対して我が国と言えばどうだ。

 王子はどこに行ったもしれずにふらふらと放浪し、姫は男装したまま逃亡するというこの有り様。

 急に国民への申し訳なさが募る。国民はミヤコが居なくなったことを知らないだろうが、けれど帰ったらきちんと謝罪しよう。

 それから国を一度見直そう。

 ここまで隣国が良い国だと知ってしまえば、我が国もいい加減、どうにかしていかなければならない。

 そう、ミヤコは密かに誓った。


「……さて。」


 内心で拳を作るミヤコの隣で、ノアが一歩前に出る。

 それから振り返り、顔を上げたミヤコを見つめた。