とある国の、とある街。



賑やかに人が行き交う道で、



青年はその遠慮がちな少女の瞳を、初めて見たのです。



あの言葉が、自分を取り戻させてくれました。



ふたりをつつむ、ひだまりの中で。



青年は、いつかのように、少女の名前を呼びました。





「若葉」 と。