貴方の家は、
私が思っている以上に綺麗だった。
綺麗だったと言うよりも、
あまり物がなかった。
コトンッ
テーブルに置かれたマグカップが
虚しく音を立てる。
手にとって一口飲むと、
苦いものが口のなかに広がった。
「ブラックで大丈夫だった? 」
苦いのは得意ではない私。
ちょっと顔をしかめたら、貴方は笑った。
『それよりも、部屋綺麗だね』
「あー物がないだろ?笑
今日元カノがここ出てったからね」
『出て行ったって…』
「別れたんだよ」
貴方は笑顔だったけれど、
どこか悲しそうな表情を浮かべる。
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