好きだったよ

その君の笑顔が





「ずっとずっと…本当にずっと好きだった」



目の前の幾分か背の低い少女に別れを切り出した夕暮れ待ちの交差点。

カンカンなり響く雑音に車が地面を擦る音。



人込みの中だと言うのに…己の声は木霊したように溶け込んで良く響く。


まるで、何を言ったのか整理するように。




「どうして…光輝は…あたしのこと飽きたの」



(…嗚呼、)



その上目遣いに小さく震えた声が好きだった。

僅かな時間さえ惜しいほど君に夢中だった筈なのに…どうしてだろう。